Biography

イギリス出身、22歳のシンガーソングライター。さて、フォークナーのサウンドとは如何なるものか?それは我々がこれまで耳にしたことのないアコースティック・ギターの音色である。6本の弦に耳も目も圧倒させられることは間違いない。ハスキーでありながら穏やかな囁き声で、彼は辺境や浜辺、荒れ地のことを語っている。そんな彼の作り出す楽曲が、マイスペースでコーンウォールのサーフロック・シーンを駆け巡り、ドノヴァン・フランケンレイターのサポートアクトを獲得させたのだ。

 彼の持つ創作力は、2007年に最も話題となったDIYアーティストの一人として己を押し上げることになった。プロモーションも資金もまったくないままに発売したファースト・リリース(昨春のFull Fat EP)が、アマゾンのシングル・チャートでなんと1位を獲得。シャッフルするビート、ゆったりとしていながら時に果敢な歌声、歯ごたえのあるブルーズ・リフ、タッピング・ギター、それらがサウスウエストで偶然彼のショーを目撃した人々の心を打ち、地道なリリースへとつながって3000枚を完売させた。
また、巧みな彼のギター・アプローチは耳だけでなく我々の目も同じように楽しませてくれる。「タッピング」とはフォークナーが言うには「きき手でストリングスを激しく叩くこと。6弦からも1弦からもそれはできる。ポジションによってはそのやり方のほうがうまくいくものなんだ。同時に二つのノートをヒットすることで、音符どうしがハーモニーを作り出すからね。普通に弾くよりもサウンドに深みがでるよ。そしてそれはギターのどちらのサイドからも生み出すことができる」ということだ。

 13歳で初めてギターを手にして以来、ニュートンは放課後をずっとギターの練習に費やしていた。腕前はあっという間に上達し、サリー州ギルフォードにあるアカデミー・オブ・コンテンポラリー・ミュージックに16歳で入学することになる。 しかしそこには本格的なプレーヤーたち(たとえば4歳のころから演奏しているような)もやって来るに違いないとふんだこの駆け出しのギタリスト(たった3年のキャリア)は、入学前の夏、朝から晩までギターを首から下げてとにかく練習に打ち込んだ。

 その努力は報われた。ギター部門のトップだったEric Roche(革新的なギタリストとして高名だったが、惜しくも2005年に37歳にして他界)の指導のもと、フォークナーはめきめきと力をつけた。「あそこはロックの学校だった」他の生徒たちが真面目にヘヴィメタルと向き合っているなか、フォークナーはリズミカルでパーカッシヴな己のスタイルに取り組んでいたという。
 十代のころはパンクロックのバンドや、リーダーとしてバンド活動も行うが、しかし事実上バンドのマネージャーでもあるという責任がすぐに大きな負担となってのしかかり、それらの活動は直ぐに断念。

 そんなこともあってフォークナーは楽曲制作もギグも一人で行うようになった。すると出版契約もレコード契約もすぐについてきた。そしてセカンド・リリースの『UFO EP』を昨年の終わりに発売。兄弟で手がけたリード・トラックはさざ波のように広がり、Jo WhileyのイベントXmas Little Noiseでスタンディング・オヴェイションを巻き起こした(コールドプレイのクリス・マーティンや、リリー・アレン、ジ・オートマティックらとUnion Chapelで同じステージに立ったのだ)

 『UFO』のすぐ後にリリースしたファーストシングル『I Need Something』で、ニュートンの名前は初めてラジオ1のプレイリストに載った。そして直後の『Dream Catch Me』は誰もが望むJo Whileyの「レコード・オブ・ザ・ウィーク」を獲得し、全英トップ10に3週間居座った。
 今やすっかり独り立ちしたツアー・アーティストとなったニュートンは、2007年夏のフェスティヴァルで観客を大いに楽しませた。彼が参加したフェスはグラストンベリーやシークレット・ガーデン、ケンブリッジ・フォーク・フェスティヴァル、V、ワイヤレス、コーンウォールのニューキーで開催されたUnleashedなど数多く、UKツアーは軒並みソールドアウトしている。

 そして07年7月、デビューアルバム『Hand Built By Robots』をリリース。全英チャートでは最初の6週間トップ5に君臨し、そのうち2週連続で1位を獲得。その後プラチナムに到達し、現在ではダブル・プラチナムを目前にしているという大ヒット作となった。さらにiTuneチャートでも6週間1位の座に輝いている。

 『Hand Built By Robots』には『Teardrop』の素晴らしいカヴァーが収録されている。リズ・フレイザーのスペクタルなヴォーカルや、マッシヴ・アタックのシンフォニックで壮大な楽曲を改造しようなどと考える者は、ほとんどいないだろう。しかしフォークナーは独自のスタイルでそれを成し遂げてしまった。ギターが静かにすすり泣き、歌声がそっと舞い上がる。大した出来栄えだし、並はずれた才能だ。その指で、喉で、楽器で、彼が次に魔法のように作り上げるもの、それは神のみが知っている。